mogimasa2007-07-23

『長江哀歌』試写で観る。
ジャ・ジャンクー監督の最新作。そしてヴェネチア映画祭グランプリ作品でもある。
前作『世界』もそうだが、現代中国の光と影をリアルに描いた傑作だと思う。しかし、前作以上に描き込んだ、いやジャンクー監督の最高傑作だろう。と思う。東アジアで数人しか残っていない監督の一人になったんだろうなと実感した。エドワード・ヤン監督の死去に脱力したことを改めて思い返す。8月18日ロードショー公開が決まってる。
ヒット作品とは縁遠いだろう。ごめんなさい、茂木はそう思うほどに素晴らしい出来映えで今年のアジア作品でも群を抜いた映画だ。
この映画、久しぶりにというか母国中国で公開が決まっている。うっ、してるかな、、、。ある意味痛烈な、現代中国へのアンチテーゼなのに公開するこの国のあり方にあきれる。いや、中国だけでなく近代国家を標榜している国家にとっての影を描き続ける。
思い返せば『一瞬の夢』『プラットホーム』あたりから高崎映画祭でも彼の映画を上映し続けていたんだっけ、、、。30代後半にさしかかった映画監督とその作品に慈しみをこめながら「一度うちにきてよ」と言ってみたい。
どうだろう配給会社のS様、いったいぜんたいこの監督の母国はどこへ行こうとしているのだろうか、、、。