mogimasa2007-11-10

土曜の病院は、活気に溢れてくる。ここは土曜も一般回診もおこなうので患者の数も平日より多い。そして、見舞いに訪れる家族連れの姿も増えてきて子供たちのはしゃぐ声が院内を駆け巡る。
ここにきて、持って来たDVDは一枚も観ていない。続けて観る気力がないのと、途中で辞めたくないのとで包装したまま。本は、疲れたら途中で辞めることも可能なので読みやすい。

「ノルゲ」佐伯一麦著 妻の留学に同行するため、ノルウェーに旅たった主人公。
ノルウェーでの一年の体験を綴った長編小説である。彼の本名が「広瀬 透」なのだ。入院前にも、ときどき自死した後輩や仲間に似た姿を、高崎市内でみかけるようになっていただけに読み始めて、なんということだろうと呆然とした。
旅と入院、環境が類似している。自分がいるべき場所から遠くはなれて戻るだろう場所でのありかたを探りながら読んでいる。

昼飯は、待望の「ミート・スパゲティー」だ。
よく見ると、これも刻んである。フォークで掬って口に入れようとするが途中でぽろぽろと落ちてしまう。しかたなく、スプーンを使うと上手に食べられる。まさかスパゲティーをスプーンで食べる経験をするとは思わなかったが、美味しい。
しかし、どこからか、こぼしたらダメですよという声が聞こえて来そうで恥ずかしい。

同室に茂木より年上の男性が入院している。
看護士さんとの会話から、少し前に奥さんを亡くしているらしい。
それ以来、酒浸りの毎日で体調を壊し入院を繰り返しているとか、、、。奥さんが亡くなるその日に、一人娘を呼んで「現金・通帳類」をしまっておいた場所を伝えた。それを、娘から奥さんが亡くなってから聞いた事ともショックだったと泣いてた。
食事制限されているらしいが、食後には必ずサンドウィッチとかアンパンをむしゃむしゃ音を立てて食べている。看護士に気づかれてもいっさい動じない。

痛み止めがボルタリンからポキソニンに変わる。毎食後飲む。