mogimasa2008-04-27

本当に久しぶりにプリントでの『昼顔』を観る。ストーリーは、覚えていたものの細部に至っては見落としていた場面に気づく。
なによりも40年も前の60年代後半に制作されていることだろう。驚かざるを得ない。人妻が自ら進んで、昼の間に娼婦になるという極めてスキャンダラスで反キリスト教的反社会的な映画だと言う事である。これはブニュエルとドヌーヴにとっても大きな挑戦であったことは言うまでもない。とりわけけドヌーヴにとっては、いままで作られて来た女優としてのイメージを捨てることに他ならなかったわけだし、、、。
今回観て気づいたのは、たしかブニュエル自身がスクリーンの中に登場していたような気がした。いや、たしかあれはブニュエルだろう。彼女の妄想・幻想の世界に登場する意味がここにある。シュルレアリストとしてのブニュエルは、この映画で甦っていた。
時代とともに置き去られる映画が多い中、『昼顔』はいつ観ても新鮮で瑞々しい。